新規認知症スケール

認知症の重症度を評価される皆様へ

これまでの認知症の評価について

認知症の重症度の評価は、認知機能、行動・心理症状、日常生活動作などを総合的に評価して判断する
必要があります。
しかし、これらの症状を評価する神経心理学的検査はそれぞれの分野毎に使い分ける必要があり、
これらの評価スケールの利用には専門的な評価者訓練が必要な場合があります。
また、長谷川式スケールを除き、海外で開発されたものであり、日本語版は精密な翻訳を十分に配慮して
作成されていなかった可能性があります。
そこで、アルツハイマー型認知症診療時に専門医のみならず、非専門医及び医師以外の医療従事者でも
15分程度の短時間で簡便に評価できるスケールとして本邦で新しいスケールを開発しました。


このスケールについて


これまでの認知症評価における問題点を踏まえ、我々は下記の要件を満たす新しい認知症評価スケールの
本格的な開発を、アルツハイマー型認知症を対象に2015年より開始しました。
 ① 簡便かつ短時間で評価できる
 ② 専門医や臨床心理士でなくても測定できる
 ③ 認知機能、行動・心理症状、日常生活動作を同時に評価できる
 ④ 認知症のスクリーニングのみならず、治験を含む臨床研究で使える

このスケールは日本の研究者によって開発されたアルツハイマー型認知症の患者の重症度を評価する
13項目の質問で構成された純国産のスケールです。医療従事者(評価者)は半構造化インタビュー法
を用いて、患者(評価対象者)の介護者(情報提供者)に対し、各項目に関連するエピソードを質問します。
それぞれの項目において、評価者は、患者(評価対象者)の状況・状態について、9段階(1~9点)の
リッカートスケールで評価します。
9、7、5、3および1点はアンカーポイントと呼び、それらの得点を定義する文章が記載され、
7、5および1点については挿絵が載せられています。
情報提供者が2つのアンカーポイントの間で判断に迷われた場合は、評価者はインタビューにより確認した後、
アンカーポイントの間の得点を選ぶことができます。
本スケールのインタビューに先立ち、介護者に対し質問紙を渡して十分な時間を与え、これから質問する内容
についてあらかじめ理解していただくことも推奨しています。 
本スケールは各項目のスコアを用い、我々が開発した計算アルゴリズムによりアルツハイマー型認知症の
重症度を評価します。

新規認知症スケール
これまで、延べ739例を対象とした臨床研究によって、このスケールについて以下のことが示されました。
なお、このスケールの開発は、教育・心理スケールの開発で用いられる項目反応性理論に基づいて
実施しました。
 ・評価者が専門医のみならず、非専門医及び医師以外の医療従事者でも一致性を持って評価できる
  指標(評価者間信頼性)である。
 ・評価者が同一患者を繰り返し判定しても同じ結果が得られる(評価者内信頼性)。
 ・13個の指標は認知症の構成概念である認知機能、日常動作、行動心理機能の3つのドメインに分解される
  (構成概念妥当性)。
 ・MMSE、NPI-D、DAD、CDR等の他の認知症の診断指標と並存妥当性が確認された。
 ・12週間の認知症患者の変動の観察からMMSE、NPI-D、DAD、CDRと同等の反応性が認められた。
 ・スケールの評価に要した時間は10分程度である。

これらの結果により、本スケールがアルツハイマー型認知症の診断・治療に有益な指標となりえる可能性が
示されました。
なお、結果の詳細は、学会および論文で公表されます。


このスケールの使用について


このスケールを使用する際は、下記のリンクから使用許諾申請書をダウンロードし必要事項を記入の上、
弊センターにPDFで送付してください。
なお、一般診療で使用する場合および学術研究で使用する場合は、スケールの使用料は現在、無料と
させていただいており、スケールの印刷費用、郵送費用、それらの手数料のみとなります。
ただし、使用許諾を得ないで使用された場合は、この限りではありません。
また、無許諾で本スケールを用いた研究結果が専門誌等に掲載された場合は、当該ジャーナルの編集者に、
私どもより当該ジャーナルの出版元に対して連絡の上、何らかの速やかな対処をお願いすることもございます。

お問い合わせ・使用許諾申請書送付先

公益財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
ABC認知症スケール事業部
〒650-0047 神戸市中央区港島南町1-5-4
E-mail:abc_scale@tri-kobe.org
担当者:菊池 隆
お問い合わせは電子メールでお願いしたします。


  • 使用許諾申請書(PDF版)
  • 使用許諾申請書(WORD版)